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2025.04.14

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二条城の観桜茶会

毎年4月9日二条城で開催される「観桜茶会」でも、ほろほろと散る桜の花びらを受けて、お抹茶をいただける香雲亭の立礼席。

こんにちは、今回の担当は今津です。

今回は、私も参加する二条城の観桜茶会の様子をご案内したいと思います。

毎年、桜の便りを聞くのが楽しみですが、桜の開花が早くなったり、遅くなったり
と気をもむのは、この観桜茶会が決まった日にあるからです。

今年は、桜がいい感じで開花して、そのあと日中涼しい日が続き、いい頃合いに、
二条城観桜茶会当日の、4月9日を迎えることができました。
風が一陣舞うたびに、桜の花びらも、ほろほろときていい感じでした。

表千家家元の「玄関」(内弟子)さんが、お席を用意して、お客様をお迎えする「和楽庵」では、表千家伝来のお道具でお茶を一服いただけます。
表千家家元の「玄関」(内弟子)さんが、お席を用意して、お客様をお迎えする「和楽庵」では、表千家伝来のお道具でお茶を一服いただけます。
表千家家元の弟さんの社中、「大中会」(だいちゅうかい)が、お席を用意する「香雲亭」(こううんてい)の立礼席。
表千家家元の弟さんの社中、「大中会」(だいちゅうかい)が、お席を用意する「香雲亭」(こううんてい)の立礼席。
受付の後ろにひろがる、広大な芝生に、床几(しょうぎ)を並べて、その上に、赤い毛氈(あかいもうせん)を敷いたお席の 「野点席」(のだてせき)。
受付の後ろにひろがる、広大な芝生に、床几(しょうぎ)を並べて、その上に、赤い毛氈(あかいもうせん)を敷いたお席の 「野点席」(のだてせき)。

二条城の北側にある「清流園」(せいりゅうえん)には、
表千家家元の、「残月亭」(ざんげつてい)、を写した
「和楽庵」(わらくあん)があります。

先々代の家元である即中斎(そくちゅうさい)宗匠が、
京都市の相談に乗り協力して作られた施設です。
昭和40年(1965年)4月28日の落成式当日には、
施設名の命名者で、当時の高山義三京都市長等の来賓と、
表千家家元(即中斎)、裏千家家元(鵬雲斎)、
藪内家家元(藪内紹智【やぶのうちじょうち】)が同席し、
市長夫人のお点前でお茶を楽しむという、茶席「和楽庵」
の席披(せきびらき)の茶会か行われました。

表千家大中会は、今年創立80周年を迎えた表千家でも、
古い社中の一つです。
最初は、即中斎宗匠を囲む、千家十職の何人かを中心とし
生まれたお稽古場でした。しかし、1936年に、家元に
襲名された兄の不言斎宗匠の急逝と、1937年の父惺斎
宗匠の死亡により、即中斎宗匠が家元を襲名することに。
1937年には日中戦争、1939年には第二次世界大戦
が始まるという時期です。1942年(昭和17年)には、
お稽古場の会員からなる組織「表千家同門会」が設立され、
1949年(昭和24年)には、財団法人不審庵が誕生。

こうした中で、1946年に、即中斎宗匠(家元)の弟の、
汾陽(かわみなみ)宗匠を、会長とする大中会が、建仁寺
塔頭「大中院」をお稽古場に生まれました。

その後、1955年家元に而妙斎(じみょうさい)宗匠
が襲名されると、弟の左海(さかい)宗匠が会長となり、
お稽古場は同じ建仁寺塔頭の「両足院」(りょうそくいん)
に移りました。

また、2018年2月28日家元に猶有斎(ゆうゆうさい)
宗匠が襲名されると、会長も弟の三木町(みきまち)宗匠
となり、お稽古場も八坂神社「清々館」(せいせいかん)
に移り今日を迎えています。
※お稽古場が移ったのは、会長が変更したせいではないと
思いますが、たまたま同様な時期に変わっています。

私は、吉兆の祇園の支店「花吉兆」時代に、社中のお客様
の一人が、時々ご来店下さっていたので、こうした由緒を
存じ上げず、その方に教えを乞うつもりで「お稽古したい」
と希望を伝えると、けらけら笑って「私もお稽古をしてる
一人です」、とご紹介をしていただけたのでした。しかし、
釣書のようなものを書いて提出して、1か月以上経過して、
もう駄目か、とあきらめかけた時に、入門を許されました。
爾来、もう20年以上が経過しました。

お茶を勉強していると、いろいろなところに、気づきがあり、
日々勉強になります。そうした視点で、京都を見直してみると、
また、新しい京都の魅力がわかるかもしれませんね。

今年、5月以降、いよいよ旅行業(地域限定)の事業も開始
となる予定です。是非、いろいろな希望をお聞かせください。
力になります。笑。

当日は、600名様以上のお客様をお迎えしてお茶会が行われました。   「香雲亭」は、江戸時代の京都の豪商、角倉了以(すみのくらりょうい)の旧屋敷から移築された、歴史ある建物です。
当日は、600名様以上のお客様をお迎えしてお茶会が行われました。   「香雲亭」は、江戸時代の京都の豪商、角倉了以(すみのくらりょうい)の旧屋敷から移築された、歴史ある建物です。
立礼席(りゅうれいせき)のお点前(てまえ)で使用されたお道具が、箱書と一緒に紹介されています。
立礼席(りゅうれいせき)のお点前(てまえ)で使用されたお道具が、箱書と一緒に紹介されています。
和楽庵、香雲亭でお抹茶とお菓子をいただいた後は、ちょっと休憩の「点心席」(てんしんせき)。お蕎麦が用意されています。その後は、最後のお席「野点席」です。
和楽庵、香雲亭でお抹茶とお菓子をいただいた後は、ちょっと休憩の「点心席」(てんしんせき)。お蕎麦が用意されています。その後は、最後のお席「野点席」です。

二条城観桜茶会

開催日時 : 2025年4月9日(毎年4月9日)
開催時間 : 10:00-14:30(受付終了)
場所   : 二条城清流園
料金   : 8,000円(入城料を含む。二の丸御殿観覧は別途500円必要)
内容   : 「和楽庵」(座敷)、「香雲亭」(立礼席)、「点心席」(お蕎麦)、「野点席」。
問い合わせ: 元離宮二条城事務所 075-841-0096 
ホームページ : https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp

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